「うわ~これは真冬に逆戻りかあ・・・」と思いましたが、外に出てみれば非常に湿った重い雪。
わずかばかりでも真冬とは違い、春へと進んでいるのかなと思います。
新潟ではまだまだ油断は出来ませんが、雪を心配する時期もしばらくすると終わりとなりそうですね。
つい先日、朝井まかてさんの『恋歌』を読みました。
第150回直木賞受賞作ということで、ご存知の方も多いかと思います。
恥ずかしながらわたしは全く知らなくて、本屋さんで偶然文庫本を目にし、女優の杏さんもおススメということも手伝ってなんとなく買ってみた本でした。
舞台は幕末。
幕末といえば坂本竜馬、新撰組、薩摩藩、長州藩、会津藩などが一般的にイメージとして浮かんでくるかと思いますが、この本は水戸藩士に嫁いだ女性が主人公となっています。
水戸藩といえば桜田門外の変で井伊直弼を暗殺した人たち、というのがわたしの少ない知識で、それ以降、特段表立って登場する印象がありませんでした。
『恋歌』は、幕末に水戸藩内で起こっていたこと、それに巻き込まれていく女性たちの姿を描いた作品で、樋口一葉の師といわれる中島歌子の言葉で物語は進んでいきます。
現代であれば考えられないようなことが常識だった時代、自分の力ではどうすることも出来ない大きな波に飲まれながらも懸命に生き抜いた主人公中島歌子とその周囲の人たち。
史実をもとに書かれている小説ですが、とにかく切ない。こんな不条理があったのかと読後に大きなダメージを受けたような気持ちになりました。
わたしなどが多くを語るつもりはありません・・・非常にステキな本との出会いだったなあと感動したことだけお伝えしたいです。