こんにちは。営業設計の竹村です。
今日はノモトホームズの窓についての温熱的な考え方について、ご紹介させていただきます。
まず、大前提として、私たちには冬は暖かく夏は涼しく、しかも冷暖房費用を極力抑えた省エネ性能の高い住まいをつくるというミッションがあります。なぜならば住まい手の健康な暮らしのため、CO2排出量を減らすためです。
断熱性能を上げるためには、サッシの性能が一番重要です。なぜならば、家全体の熱の出入りの中で窓（開口部）からの熱の出入りが一番大きいからです。私が一番信頼している窓メーカー、YKK APの資料によると、冬に流出する熱の割合は屋根が4％、外壁が20％、床が10％、換気が16％なのに対し、窓はなんと50％もの熱の出入りがあります。
夏に流入する熱の割合は、屋根は同じく4％、外壁が12％、床は4％、換気が6％なのに対し、窓は74％もの熱が流入します。つまり、繰り返しになりますが、窓の性能を高めることが、家全体の断熱性能を上げるための近道といえます。
次に、燃費のことを考えると、少ない熱量の投入で室内の気温を快適な温度で維持していくため、冬は太陽光を取り込んで自然の暖房効果を得ること、夏は日射を遮蔽して、室内を温めないということが重要です。
このことを踏まえ、ノモトホームズの窓の温熱的な考え方としては以下になります。
①南面は冬に最大限の日射取得が行えるよう、窓は大きくとる。ガラスは複層ガラスにすることで、冬には日射を取り込み、エアコンなどの暖房器具に頼りきらない暮らしを提供する。夏は庇で日射をカットし、遮蔽する。
②北東西の窓はなるべく小さくし、引違いサッシ以外の窓は全て樹脂製トリプルガラスのサッシにする。つまり、断熱性能を最大化し、夏の日射取得を抑えることで冷房の効きを良くする
単純に断熱性能（外皮性能）を上げるには、極論、窓を少なく小さくすることです。
つまり、熱の出入りが行われる部分の面積を少なくすると、断熱性能を表す指標「Ua値」を下げられる（＝断熱性能が上がる）というわけです。ですので、窓を小さく少なくすると、簡単に数値上の断熱性能は良くなります。
ただ、私たちは外皮性能はもちろん重要なファクターとして捉えていますが、住宅の本質は窓を減らして小さくして、それでハッピーな毎日が送れるかというとそうでは無いということです。つまり、大きな窓から庭の緑や子たちが遊び回る様子を眺めたいですし、明るくて気持ちの良い室内が欲しかったりします。
単に外皮性能だけでなく、暖房負荷という指標も大事にしたいと考えています。暖房負荷とは、 外気温度や日射等の気候条件を加味し、室内をある温度に維持するために必要な熱量のことを言います。
ですから外皮性能の数値はあくまで一つの目安で、全館暖房が安定して行えるにはG2以上の断熱性能を確保。窓単体の断熱性能は下がるかもしれませんが、南面は複層ガラスで日射を取得することで、省エネで低燃費な暖かい住まいが実現可能です。
