こんにちは。
新潟で自然素材の注文住宅を建てるなら新潟のノモトホームズ|営業設計の竹村です。
お盆に地元でお墓参りに行くお寺から見える建物がとてもいい雰囲気です。
築70~80年くらいでしょうか。もしかするともっと経っている気もします。
高台にあるお寺の石垣の向こうに見えるのもいい感じで、
後背の山とのバランスも「フォトジェニック」感満載だったので、今年ついに写真を撮ってみました。
大げさかもしれませんが、この建物はこの地域の歴史や暮らし、
景観を考える上で建築的にもなかなか面白いと思います。
私なりにポイントをまとめてみました。
①屋根が左右で非対称
片方が入母屋、もう片方は切妻でなんだかかわいらしい感じがします。
経緯が気になりますが、もしかすると建築当時は写真右側の建物は無く、
ずっと続く横長の長屋だったのかもしれません。
それをある時期に切り離して、そこを切妻で復旧したのでは・・・そんなことを想像するのもまた面白いです。
②かわいい木製窓
現代のアルミサッシではなく、木製窓が取りついています。
左側の木製窓は雨戸とセットで、ちょっとした手摺格子みたいなものもついています。
(盆栽とか、植木鉢とか置けそう・・・)
この地域は毎年台風が直撃しますので雨戸は必須です。
これがまた外観のアクセントになっています。
右側の縦長窓はこの時代の建物には珍しい様に思いますが、上げ下げできるちょっと「洋風」な造りです。
左右どちらの木製窓も、ガラスは近くで見ると波打っていますが、これは当時のガラス精製技術を物語っており、
この波打ったガラスは古い建物の特徴の一つです。
③ペンキ塗りの外壁
外壁はトタンだと思いますが、その上からペンキを塗っています。
この地域の、とりわけこの時期の建物には、外壁にペンキが塗られている住宅がたくさんあります。
町内を歩いていても杉板の上からペンキを塗ったり、トタンの上からペンキを塗ったりした町並みが続きます。
色も薄い青緑からピンク、クリーム色まで、まるで31(サーティーワン)のアイスクリームの様な
パステル系統の色が多い気がします。
このペンキ塗りの住宅は、この紀南地方の特徴だと思っています。
理由は知りませんが、想像するに2つの説を考えています。
戦前からアメリカ西海岸に移住する人も多く(実際に祖母の兄弟も移住しています)、
きっとペンキ文化と親しみがあったのではないか、という「実はサーファーズハウス説」と、
小さな漁村ですから生活の道具としての木造船のメンテナンスによくペンキが使われますので、
「ペンキ余ったしついでに家にも塗っといたろか説」が私の中で有力です。
先述の上げ下げ木製窓も、「実はサーファーズハウス説」の一つの要素かもしれません。
格子のデザインもなんだかサーファーズハウスを彷彿とさせますし・・・
こんな魅力のある建物が多く残る面白い町並みなのですが、
新潟であれば村上や上越、新潟下町のようにその景観には光があたらず、
今年も何件かは解体され空地になっていました。
「消滅可能性都市」にも指定されている人口3000人弱の町で、
今後この町並みが失われていくのかと思うと少し寂しい気もします。
「新潟にいながらこの町並みのために何かできないか・・・」という事を少しばかり考えながら、
帰り道の700㎞14時間耐久レースを乗り越えた次第です。
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