こんにちは。営業設計の竹村です。
本日は朝から東京へ。
最初の目的は銀座のギャラリーで開かれている建築家・田中敏溥先生の「椅子展」だったのですが、早く到着しすぎたため少し足を伸ばして築地本願寺へ。
「建築」という言葉を今の意味に定義した、伊藤忠太が設計した建物。ちなみに伊藤忠太は東京駅を設計した辰野金吾の元で学び、新潟にある弥彦神社も設計しています。
築地本願寺はインド様式を外観に取り入れた建物で、国の重要文化財に指定されています。随所に施された装飾が大変美しい建物です。
最近「装飾」に興味があるので、楽しい見学でした。
続いて銀座へ戻り、「椅子展」へ。
幸運にも、ちょうど田中先生が在廊されていたので、いろいろとお話を伺う事ができました。
例えばこちらの椅子は、パーツが全て取り外せるもの。田中先生の出身地である村上では、お祭りで使われる山車「おしゃぎり」は使わない時は解体してしまっているそうで、それをヒントに設計したとの事。
設計図は全て手描きです。「私はCADが使えないから手描きで描くんです」と田中先生。綿密に、丁寧に、木目を表現する柔らかい線がとても印象的で、作り手にとっても分かりやすいコメントがあったりと、田中先生のお人柄が現れた素晴らしい図面で感動しました。
「椅子をデザインするときは試作しながら作るのですか?」と質問させていただいたところ、「試作品は作りません。図面を描いたらあとは全部一発本番です。」とのお返事をいただき、びっくりしました。お話を伺うと、設計図を描いている時から完成形が見えていらっしゃるようで「長年設計していれば試作しなくても分かりますよ。建築だってそうでしょう?」との事。確かに建築はそうかもしれないと思いつつ、、、すごいとしか言いようがないです。。。
田中先生の建築(多摩川学園の家)も以前見学させていただいた事があります。今回の椅子展も含めて、先生の優しく、いつになっても謙虚でいらっしゃるお人柄が、現れているようでした。貴重なお話、ありがとうございました。
午後は東新宿へ移動し、月イチの泉先生の勉強会へ。今日は中間領域をテーマにお話をいただきました。
日本建築の歴史や、茶室、表千家と裏千家での床の間の作り方、手摺のデザイン、韓国の建築の事などなど、知らない話ばかりで非常に勉強になりました。
そして何と!年明け1月には、泉先生と勉強会のメンバーで、京都の建築見学ツアーが企画される事になりました。
京都の建築は見に行きたいと思ってもなかなか行く機会がなく、しかも今回は泉先生と、京都で代々続く工務店の社長(勉強会メンバー)から茶室や社寺をご案内いただけるとのことで、めちゃくちゃ楽しみです(妻の説得に全力を出すしかありません)。
私も今年で40になりますが、勉強はいつになっても楽しいものです。設計が上手くなるには良いものを見たり話を聴いたり本を読んだりと、貪欲に勉強するしかありません。
それが良い形となって、お客様の家づくりに還元できれば良いと思っています。