こんにちは。営業設計の竹村です。
夏休みに、軽井沢に家族で行ってきました。
行ってきた、というよりも、和歌山への帰省の帰りに寄った、という感じです。
軽井沢は帰省の度に寄っていましたので、学生時代から好きな場所です。10年以上も前になりますが、結婚式も軽井沢で行いました。
この夏休みは、軽井沢タリアセン内にあるアントニン・レーモンド作の「夏の家」の見学に行ってきました。
ちなみに、私以外は建物には興味ありませんので、外でアイスクリームを食べていました・・・笑
軽井沢夏の家は、1933年にレーモンドの別荘兼事務所として1933年に建設されましたが、1986年に現在の場所である軽井沢タリアセン内に移築され、国の重要文化財に指定されています。
現在はフランス人画家であるレイモン・ペインの作品を展示する「ペイネ美術館」として活用されています。
レーモンドと言えば、新発田市にある「カトリック新発田教会」も有名です。
もともとはアメリカの建築家であり、ル・コルビジェ、ミース・ファン・デル・ローエとともに「近代建築の三大巨匠」と呼ばれるフランク・ロイド・ライトの弟子が、アントニン・レーモンドになります。
ですからライトの提唱した自然との調和をはかる「有機的建築」という考え方を継承しています。
こちらが軽井沢夏の家。
現在は北面に向いていますが、もともとはこちらが南立面になります。
行った時は写真の様に、分かりにくいかもしれませんが、ル・コルビジェの提唱した近代建築の五原則である「横長連続窓」がデザインに取り入れられています。左手、2階部分の掃き出し窓です。
横長連続窓部分はダイニングやリビングで、2階部分は製図室になっていてリビングからは階段でなく、スロープで上がっていきます。
面白いのは屋根形状で、写真左手の屋根が逆勾配の「バタフライ屋根」になっていて、これがなんとも特徴的で、美しいプロポーションを実現していました。
内観写真は撮影できなかったのですが、内部の天井は屋根形状に合わせて勾配天井になっています。
もともと軽井沢タリアセンに移築される前は、室内から浅間山が見えたそうで、浅間山への眺望を生かすために屋根をこのようにしたのかなと推測できます。
下屋部分は霧除けがぐるっと回っています。
2階建て部分までぐるっと回っているのですが、2階建て部分の角は霧除けが繋がっていません。
確かにここをつなげると2階建て部分の縦への伸びが薄まってしまうため、あえて霧除けを切ったのかなと思いました。
内部は2階へスロープで上がっていくつくりになっていて、暖炉スペースもあってとても豊かな空間でした。
時間が許す限り長居したくなる建築です。
ちなみに、もともとはル・コルビジェの設計案だった全体の構成を、レーモンドがほぼほぼパクったのが今回の軽井沢夏の家のようです笑
ただ、軽井沢夏の家の、横長連続窓のディティールは見事で、柱を屋外側にずらしていることによって窓が全開口にできる、というのは、レーモンドの手腕だからこそだと思います。
軽井沢に行かれた際は、ぜひ行ってみてください!