こんにちは。営業設計の竹村です。
ここ数日、暑い日が続いていますね。
外気温が30°を超える日も出てきましたが、この夏も昨年同様、猛暑日が続くのでしょうか。
4月、5月は「中間期」と呼ばれ、エアコンが無くても過ごしやすい季節ですが、6月は夏の始まりで、いよいよエアコンの稼働が必要になってきます。
高性能住宅は断熱・気密性能が高いが故に、夏場(時には中間期も)は特に日射取得があると簡単に室温が上がり、オーバーヒートしてしまいます。
パッシブデザインで建物を設計すると、冬場の日射取得を最大化するため、特に南側の窓は大きく取ることが多いのですが、一方で、夏場も日射取得してしまうと室温が上がり、冷房の効きが悪くなります。
そこでパッシブデザインでは日射遮蔽を行うことが重要で、その方法は様々ですが、基本は軒をしっかり出すことです。
夏至の南中高度は約78°ですから、南面の開口部に奥行き70㎝程の庇を設けることで日射遮蔽になります。
ただし、東面・西面からも日射取得があることや、低い太陽高度からの日射、建物も真南でなくて方位が振れていることがほとんどですから、庇を出すことは完璧に日射遮蔽できるわけではありません。
我が家は東面に眺望を優先した大きな窓を設けていますが、ソファーに座ると特に夏の午前中は、ガラス面の輻射熱をじんわり感じる時があります。Low-E遮熱のトリプルガラスですら、です。
軒を出した上で、昔ながらの簾を用いたり、日差しを遮る植物を植えたり(冬は葉が落ちる落葉樹が良いです)、アウターシェードを設けたり、外付けブラインドを設けたりすることが日射遮蔽には効果的で、特に外付けブラインドは8割以上の熱をカットします。
高気密・高断熱の家を建てる場合は、日射遮蔽もセットで検討する必要があるという訳です。
鳥屋野南モデルハウスは、営業的に西側道路に面して大きな窓を設けています。
ですから夏の日射取得による冷房負荷が大きく、昨年の様な猛暑日が連続すると、小屋裏エアコン1台ではなかなか厳しい日もありましたので、潔く床下エアコンを補助的に運転させています。
床下エアコンを冷房運転させると床下が結露する恐れがあると言われていますが、確かにエアコンの真正面に大引などの木部があり、常にそこに向かって冷気を吹き出し続けていれば、結露が起こりカビが生える可能性も出てきます。
ただ、木部に冷風が直接当たらないようにフラップの角度を下方向に調整して、補助冷房としての間欠運転程度で、様子を見ながら運転していただいただければ問題無いかと思います。
高性能が故に、夏の暮らし方には工夫が必要です。
この夏は、鳥屋野南モデルハウスでのエアコンの運転状況や室温変化等も、ブログで発信していければと思います。