こんにちは。営業設計の竹村です。今日は天窓について書いてみたいと思います。
先日「暮らしの見学会」を開催した我が家の中で、私が入居後に思った、「もっとこうしておけば良かった・・・第一位」は「天窓を付けておけば良かった!」です!(3年経っても結構言ってます!)
もともと伊藤さんと初期プランをエスキスをしていた時は、階段の直上に天窓が付いていました。ですが、天窓自体の費用に加え、屋根工事で特殊なおさまりが必要なため、費用がかかるということで予算的に諦めました。当時の工事費で10~15万円程だったかと思いますが、今にして思えば15万円を出してでも(住宅ローン換算で毎月約400円の増額)、天窓を付けておけば良かったと思っています。
天窓の魅力その①自然光を獲得できる
天窓を語るうえで欠かせないのがこちらの写真です。「山二ツの家」の階段室に設けた天窓ですが、両側の壁に沿って降り注ぐ自然光が、左官仕上げのテクスチャーを浮かび上がらせ、陰影を生んでいます(住宅はそもそも、明るい暗い、狭い広い、高い低い、昼と夜の雰囲気の違い等の「変化」や「場面」がある方が住んでいて楽しいですし、面白いです)。
天窓があることで階段室は建築用語で言うところの「光井戸(ライトウェル)」となり、単に上下階を昇降するだけではない新たな意味が生まれてきます。階段室は窓からの光が届きにくい建物中央にあるにもかかわらず、十分な明るさがあります。
この天窓は北側の屋根面に設置しているため、北側の安定的な自然光が入ってきます。ちなみに北側の自然光(ノース・ライト)は美術館の設計にもよく使用されます。
階段に座りながら、落ち着きのある自然光で本を読みたくなる空間です。
天窓の魅力その②空を眺められる
こちらは「焼杉の家」にある天窓です。言わずもがな、最高ですよね!室内にいながら空を近くに感じることができる窓です。天窓の下に寝ころびながら、雲はもちろん、飛行機や鳥が飛ぶのを眺めるのも、また豊かな時間になると思います。
こちらは吹き抜けの頂部に設けた天窓です。意匠的に、化粧垂木を天窓にかぶせているのがミソです。季節や時間によって光の入り方が変わるのもまた、豊かさの一つかと思います。天窓の魅力やメリットはまだありまして、例えば室内の暑い空気を排気するや、通風性が良いなどもありますが、ノモトホームズではFIXしか使いませんので、そのあたりはそこまで重要視していません。むしろ前述の2点が大きなメリットです。
この様に、天窓は空間をより美しく、暮らしに楽しみや愛着をもたらせてくれるものを言えます。とは言え、天窓にもデメリットはつきもの。代表的なデメリットをご紹介させていただきます。
天窓のデメリットその①雨漏れのリスクはゼロじゃない
「施工者が言うな!」というツッコミが入りそうですが、「絶対雨漏れはしません」と言い切れないのが実情です。これは弊社のみならず、どこの工務店やビルダーもそう言いますし、クレームを恐れて「施工しません!」という住宅会社もたくさんあります。
天窓は雨が直接かかる屋根に穴を開けるわけですから(薪ストーブの煙突もそうです)、経年劣化等で漏水につながるリスクは予め知っておく必要があります。
設置する方位によっては直射日光が入ってくる
設置する方位や屋根の角度によっては、長時間にわたり直射日光が入ってくる可能性があります。冬は日射取得となるので良いですが、特に夏場は建物の室温を上昇させる要因にもなります。最近の天窓はU値も小さく、断熱性能の高いものが販売されていますが、壁に設ける窓と違って外側に日射遮蔽物を設けることが難しいので、室内側(ほとんどの場合手が届かないところなので)に電動ブラインドを設置して日射遮蔽することになりますが、その分費用もかかってきます。ですので、天窓は前述の通り基本的には北側の屋根に設置したいものです。
まとめです
天窓は新築だからこそ設置できるもので、リフォームでは屋根葺き材からいじる場合を除いて、設置がかなり難しいです。今日のブログに書いたように、天窓の魅力はたくさんありますが、設置する方位や雨漏れのリスクについて、しっかりと知っておく必要があります。
とは言え、天窓は唯一無二の空間を手に入れることができるものです。ノモトホームズは天窓についてのノウハウがかなり蓄積されていますので、天窓をお考えの方はぜひお問い合わせください!