今日は朝から2軒のお住まいを訪問し、動画を撮影させていただきました。
動画の内容としては建主さまの住み心地インタビューと、僭越ながら私からの簡単な建物紹介です。
動画は今月中の完成を目指しておりますので、完成しましたらトップページのノモトホームズの家づくりにある「動画」ページにアップさせていただきたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください!
お休みのところお時間をいただきました建主さまには、御礼申し上げます。
せっかくなので、今回のブログではその2軒のお住まいについて、レポートさせていただきます!
1軒目は、遠く飯豊連峰を望むことができる加治万代の家。
もともと建っていた母屋を解体しての建て替えです。
焼杉を張った外壁、ビルトインガレージ、大屋根の要素が外観の大きな特徴です。
お庭は建主さま自らが作られたもの。大きな庭石を使ったアプローチが良い感じです。
玄関ポーチは軒先の高さをできるだけ抑え、手を伸ばすと届くくらいなのですが、これがまた趣があって、しかも風雪を遮るように壁も設けていますので、玄関先の「籠り感」があらためて良いな~と思いました。
道路の反対側はこのようになっていて、3つ並ぶ段窓の存在感、パントリー兼勝手口からのアクセスが可能な下屋もあったりと、道路側とはまた違った趣のある建物です。
道路側のお庭は日本庭園風にして、こっち側のお庭は将来的には季刊誌『チルチンびと』に出てくるような、木や草花にあふれたお庭にされたいとご主人。これからの経年変化がとても楽しみです。
室内はお庭や畑、田園、飯豊連峰を切り取るピクチャーウィンドウを設けています。
天井は杉の上小板を張っていて、屋根勾配に合わせた勾配天井とすることで、二階の寝室やホールに繋がっていきます。断面的な設計もまた、ノモトホームズの持ち味です。
右側に写る大きな太い梁は、杉丸太の両側を落とした太鼓梁と呼ぶ梁です。なかなか県内の工務店ではこの太鼓梁を使っているところも少ないかもしれませんね。
ちなみにですが、この太鼓梁は丸太の両側を落としただけなので、もちろん末口と元口で太さが違ってきます。ですから構造計算上は構造材には含めず(もちろん含めることもできるのですが断面寸法の指定がなかなか難しいので)、漆喰に隠れていますが太鼓梁の上に構造用の梁を入れているのがミソです。
意匠にこだわりますが、構造や断熱気密といった性能にもしっかりこだわっています。
こちらは玄関に設けたシューズクロークへ通じるパーティションの方立てに巻いた銅板です。
今は銅板もピカピカですが、これからの酸化反応が進み、経年変化で色が変わっていくのもこれからの楽しみだと思います。
続きまして、2軒目の坂井砂山の家のご紹介です。
坂井砂山の家は2m程の高低差のある敷地に建つ建物。一度、季刊誌『チルチンびと』でも取材させていただいております。
外壁は「そとん壁」という左官で仕上げ、サッシ周りには板を張っています。
サッシ周りには雨戸を収納できるように戸袋を設けていますが、これもまたかっこいい外観を構成する要素に繋がっています。
建物は植物が好きなご主人が管理をされてる中庭を囲うように、L型の形状をしています。この中庭をどの居室からも中庭を望むことができるのがポイントです。
メインのLDKは土間、土庇を介して中庭とつながります。これらの中間領域をどう作るかが建築には非常に重要で、坂井砂山の家の木製建具は中央を大きなFIXガラスにしたことで、内外が何も隔たりなくつながっているように見えています。
ここの詳細設計と施工が難しかったな~と当時のことを思い出していましたが、この屋内外がシームレスに繋がる空間を見ると、あの時チーム一丸となって頑張って本当に良かった!と再認識しました。
断熱や気密が重要視され、高性能な家がマスト化されていく家づくりですが、数値を良くするために窓を小さくしたり、そもそも窓を少なくしたりといった未来ではなく、外とつながりながらもしっかり性能を確保した住まいを作っていきたいと改めて思いました。