先日、村上エリアが集中豪雨に見舞われ、水害が発生してしまいました。
私も設計を担当させていただいたお客様が2組いらっしゃいましたので、
避難指示が出た段階で心配をしていたのですが、
翌日無事とのことでご連絡をいただき、心底ほっとしました。
日本は災害大国で、毎年必ずどこかで自然災害が発生しますし、
誰しも一度は必ず何かの災害に遭遇するものだろうと思っています。
私の住む新潟市西区坂井東も、平成10年に水害が発生し、
近所にはその時の水位を示す標識が建てられ、当時の記憶を今に残しています。
私は土地を購入する際、ハザードマップで水害について確認し、
浸水エリアに該当していませんでしたので、安心して購入しましたが、
しかしながら昨今の気候では”想定外”の悪天候が多発しますので、
そのハザードマップも完全な安心材料にはならないだろうと思っています。
建築的に、災害に対して備える方法はたくさんあります。
一番イメージしやすいのが、耐震等級でしょうか。
最高等級は「耐震等級3」になりますが、耐震等級1とは、数百年に一度程度の
地震がきても、倒壊や崩壊しない程度の強さの住宅です。
住宅が損傷しても、住む人の命は守られる、という強さです。
ちなみに数百年に一度程度の地震とは、震度6、震度7の地震の事を言います。
これに対し、耐震等級3は「耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる強さ」になります。
公共建築物では消防署や警察署等、災害時でも機能している必要がある建物にも
耐震等級3と同じ強さが求められます。
熊本地震は震度7が立て続けに2回発生した点が想定外のことでした。
数百年に一度の地震を2回も受け、全壊した建物も数多くあった中、
国交省の資料によると耐震等級3の建物は倒壊が0棟、
9割近い耐震等級3の建物が無被害でした。
被災後、自宅に住めなくなって避難所での生活を強いられる方もいる中で、
耐震等級3の建物では住み続けることができた、という点が
耐震等級3の建物のメリットとして、非常に大きかったと思います。
水害に対しては、新潟市内では広範囲にわたり浸水エリアに該当します。
床上浸水と床下浸水では大きな違いがあり、
床上浸水の場合は泥だし、洗浄作業を行い、室内の壁をいったん剥ぎ、
柱や間柱等の木材の乾燥を行い、最後に消毒し、断熱材の入れ替えを行う必要があります。
床上浸水を防ぐためには床の高さを上げることが有効ですが、
そのために基礎の高さを上るか、敷地の宅盤レベルを上げるかの2通りの方法があります。
一般的には基礎の高さは地面から40㎝ですが、これをその地域の浸水レベルを考慮し、
60㎝、100㎝と上げていきます。
また、基礎の高さは一般的な高さに抑えますが、敷地に盛土を行い、
宅盤レベルを上げるという方法もありますね。
以上の様に、万が一の災害に備え、どこまで建築的に備えるかというのは
家づくりを行う上で考えておく必要があります。
一方で、浸水深さが3mを超える!地域も県内いたるところにありますので、
さすがに建築的に対処するには非現実なところは、火災保険や地震保険で
万が一に備えるという方法もありますので、その点は私たちにご相談ください。
今日は災害に備えるには、というテーマで記事を書いてみました。
次回以降で、火災保険と地震保険についても記事にしてみたいと思います。