スタッフブログ

マンションリノベ、床は張り替え?上張り?

こんにちは。営業設計の竹村です。

 

本日のブログは「マンションリノベ、床は張り替え?上張り?」という内容で

書いていきたいと思います。

テーマが決まっていれば2000字いくかもしれません!!(久々・・・)

そもそも新築木造住宅メインの私が、なぜ突然このような「マンションリノベ」について

ブログに書くかと言いますと、突然、大阪に住む高校時代の友人から連絡があり、

「中古マンションをリノベしたいんやけど、床は張り替えと上張り、どっちがええの?」

という相談をもらったからです。

こうやって相談してくれるのはとっても嬉しいですね。

しかも超絶面白いテーマです。

 

彼とは高校の3年間同じクラス、同じ部活(美術部)で、感性や考え方が

とっても似ているところがありましたので、高校時代はいろんな話をしました。

二人とも絵や音楽が大好きだったので、私は彼からたくさんの刺激やセンスを貰って

それがあって自分がある、そんな感じです。

#熱くなりすぎて文章おかしくないですか

#伝わってますか

 

今日はもう遅かったので、明日の夜、ビデオ通話で相談に乗ることにしたのですが、

(ビデオ通話が一般的になって、いい時代になりました)

もうこのテーマをまとめたくてまとめたくて、ちょうどブログ当番だったので

ここにまとめたいと思います。

 

まずは床を張り替える場合のメリットですが、2つあります。

①既存床を全部剥ぐので、床下に万が一腐食がある場合はやり替えができる

②床のレベルが現状と変わらないので、建具もそのまま使える

張り替えの場合は、既存の床レベルと同じ高さで床を作れますので、

既存建具や水回り、サッシとの取り合いをどうするか、悩まなくて済みますね。

 

デメリットについては主に3つあります。

①既存床の撤去処分費用が高い

②工期が長くなる分、コストがかかる

③解体後の不陸調整が必要

主に予算的な部分が大きいですが、③については既存床を剥した時に、

使われている接着剤をきれいに除去して下地調整しないと、

床を張り替えた際に床鳴りや不陸の原因になる可能性が出てきます。

なので既存床撤去後、職人さんに丁寧な下処理をやってもらえるかどうかが、

チェックポイントです。

それと、無垢フローリングを張る前提で書きますが、

そもそもそのマンションでフローリングが使えるかどうかも重要で、

マンションでは一般的に、下階に音が伝わりにくくするため、

「LL45」なる遮音等級が定められています。

コンクリートスラブに直接床仕上げを行う「直貼り工法」の場合、

クッションフロアや遮音フロアを求められますので、

例えば無垢のフローリングを張ることを禁じている場合があります。

このあたりはマンションの管理規約のチェックが必要です。

 

次に上張りのメリットですが、大きく4つです。

①撤去処分費が発生しない

②工期が短く、コストを抑えられる

③好きなフローリングを使える

④無垢のフローリングは資産と考える

私としては上張りの方が張替えよりもメリットがあるように思います。

特に③が一番で、ぜひ無垢のフローリングを使って欲しいからです。

子どもが素足で無垢の床を駆け回り、ゴロゴロする。

木目を眺めて、木の匂いを嗅いで、手や足で触れて・・・

これが無垢材の最高に良いところですから、

明日のビデオ通話では無垢のフローリングにするよう説得します!笑

ちなみに④ですが、以前フローリング屋さんと話をしていて「なるほどなー!」と

思ったのですが、無垢のフローリングは資産になる、という話です。

杉は日本にたくさんありますので残念ながら資産にはなりませんが、、、

例えば、オークやチークは世界的に伐採が禁止され始めていて、

今後は手に入りにくくなり、希少価値が出て高価になっていくのでは、

というのがフローリング屋さんの考えです。

無垢材であれば10年20年はへっちゃらで、傷や染みだらけで「うーん・・・」となっても、

表面を軽く削るだけで新品同様に生まれ変わります。

なので、友人の彼は今大阪在住ですが、万が一地元にUターンした際は、

床を剥いでフローリングと一緒に和歌山に帰れるわけです!笑

なので施工時は、接着剤を使わないようにする必要があって、

多少の床鳴りを許す許容力が必要ですが、次の世代に木材を残す、

というのもまたドラマチックな気がしますし、

傷や染みという家族の思いでも引き継げるのがまた嬉しいですよね。

あくまでマンションだからで、引っ越す前提の話です。

 

では上張りのデメリットはと言うと、大きく2つです。

①既存床下の状態が分からない

②建具やサッシとの取り合いをどうするか

①についてはどうにもなりませんが、、、既存床が一部たわんでいたり、

部屋の隅から隅で傾斜があったりすると下地が腐食している可能性もあるので、

一部剥して状態を確認するのが良いと思います。

ただ、コンクリートスラブに直貼りしているようなマンションでは、

そもそも下地が無いので、その可能性は低いです。

②については床以外をスケルトンにする場合、建具も作り直すので問題ないですが、

既存のものをそのまま使おうとすると、下端をカットする必要が出てきます。

バルコニーに面するサッシは、一般的には防水上床から上がっていますが、

フラットな場合は段差解消の納まりを考える必要が出てきます。

 

上張りの場合の注意点ですが、既存床がクッションフロアや遮音フローリングの場合、

その上に直接フローリングを上張りするのは下階への遮音性能を下げるため、

マンションの管理規約上、かなり危険という事です。

これについては解決策があって、「乾式二重床」とすれば問題ありません。

要は、既存床の上にプラ束などですき間を作って、その上に床を張る方法です。

これでLL45の性能を落とすことなく、無垢のフローリングを張れるわけです。

それから電気配線も床下で配線できるので、好きなところにコンセントを設置できたり、

少しかさ上げは必要ですが、床下にダクトを転がしてエアコンとつなげれば

床下での全館暖房も可能です。

(ただし、エアコンのスリーブを構造躯体に新たに開けることは不可ですので、

エアコン位置とダクト取り合い部の設計は非常に大事ですが)

 

結論としては、ゴミも出ないし無垢のフローリングを使えるし、

資産にもなるという考え方もできるので、「乾式二重床で上張りにする」、

というのが私の結論です。

マンションは新卒で入ったゼネコン以来ですが、

考えるのが非常に面白いテーマでした。

明日のビデオ通話がとっても楽しみです!
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竹村 泰彦 YASUHIKO TAKEMURA
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