本町通の家

「本庁通の家」の敷地は新潟市の中心街に位置し、周辺は短冊状に区割りされた古くからの町並みが残る場所である。この敷地もまた、細い路地を抜けた先の旗竿地という個性を持っている。
白のガルバリウム鋼板と、杉板を使った外壁で構成された外観は、モダンな佇まいながらも周辺の町並みにも調和するように屋根の形状を切妻屋根とし、建物の高さを低く抑えてある。ちなみに木部の塗装は、建主さま自らが行った。

天井の高さを極力抑えた玄関ポーチをくぐり、リビングに入ると開放的な吹き抜けが出迎えてくれる。単に平面的な広がりだけではなく、断面的な広がりも生むようにつくった強弱のある空間だ。
室内には薪ストーブが置かれ、それを囲うように家族の団らんが広がっていく。冬は吹き抜けを介して2階にも暖気を届け、夏は2階のエアコンで全館空調を行えるよう計画した。
断熱材には自然素材であるセルロースファイバーを使用し、気密性向上にも配慮した。