スタッフブログ

窓と庭の話

こんにちは。営業設計の竹村です。

 

パッシブデザインの観点から窓(開口部)を考えるときは、

南面の窓は大きく(夏場の太陽高度に配慮した庇を設けることが前提です)、

東西北面の窓は極力小さくがパッシブデザインの教科書通りの設計手法です。

そうは言っても敷地から見える景色がきれいだったり、視界が抜けていたり、

室内に極力自然光を取り込みたかったりする場合は、

パッシブデザインを(多少)犠牲にする価値もあるのではないかと、思ったりもします。

数値化できる「温熱環境」と、数値化されない「居心地」「暮らしの楽しみ」の

バランスがうまく取れると、それは良い建築になるのではないでしょうか。

(温熱環境は居心地に直結しますが、ここでは温熱環境を抜きにした居心地と考えます。)

 

拙宅は南側には隣家が迫っていたため、開口部を設ける価値は小さいと判断しました。

そこで視線が抜け、公園の緑を取り込める東面に大きな開口を設けたのですが、

手をかざすと案の定、夏の朝日がじわじわと、

Low-E遮熱トリプルガラスにしてもなお通過してくるのが分かります。

ただ、室内に緑を取り込み、子どもたちがそこから散歩中の犬に手を振ったり、

鳥や蝶が飛んでいるのを眺めたりしているのを見ると、

やっぱりこれが正解だったと思っています。

セオリー通りであれば極力小さくするべき窓ですが、

ほんの少しくらい暑くてもこの眺めや日々の暮らしの楽しみがあるのであれば、

温熱環境を多少犠牲にした方が豊かだという事です。

欲を言えば、予算の配分をパッシブ側にもう少し割り振って、

日射遮蔽のために木製のガラリ戸を設けておけば、

パッシブデザインと居心地の良さとの両立が完璧にできました。

 

以前私が住んでいたアパートもそうでしたが、これまでの日本の住宅は窓の性能が悪く、

窓辺といえば暑すぎ、寒すぎで、なるべく窓辺を避けて過ごしていた様に思います。

皆さんもそんな経験があるのではないでしょうか。

28年前に建った私の実家は、夏の窓辺はとても暑く、

冬は結露が当たり前でカーテンにカビが生えてしまうため、ほとんど近寄りませんでした。

しかしながらここ十数年で、従来に比べて窓の断熱性能は格段に上がっています。

窓辺で展開される物語をクローズアップしたYKK APさんのCMにもあるように、

昔よりも窓辺に近寄りやすくなりました。

これからも性能と居心地の両立を目指し、窓辺を考えていきたいと思います。

 

話は変わりますが、本日、竣工後1年を経過した「向陽の家」の建主さまから

エアコン設置にまつわるご相談をいただき、夕暮れ時に伺わせていただきました。

建主さまにご快諾いただきましたので、少しですがご紹介させていただきます。

 

まず、向陽の家をパッシブデザインの観点で解説すると、

2階リビングの南面の窓は大開口とし、軒の出をなるべく出して、

高度の高い夏場の日射をカットするように計画しました。

道路から見える2階のスリット窓は西面になりますが、

Low-E遮熱トリプルガラスを採用、ガラス面も極力小さくして日射の侵入を抑えています。

1階の地窓も似紙面になりますが、ピクチャーウインドウとして植栽を眺められるよう

大きく取りましたが、西日を軽減できるように、落葉樹をメインに植栽計画をしています。

 

外構は、竣工当時に比べ大きく進化・深化しています。

竣工時よりもかなり背丈が伸びた樹木は、美しくライトアップされています。

樹木のライトアップも、下から照らすか、上から照らすかの2種類ありますが、

「月明りは上から」ということで上から照らす方が人工的でなく自然に近いのですが、

すっきりさせた外観に灯具を設けたくなかったので、あえて下からの光を選択しました。

お庭からの明かりがこぼれ、アプローチの床面も照らされつつも、

アプローチからはあまり器具が見えないように設置位置にもこだわっています。

 

板張りの外壁も、築後1年経過し徐々に味わいが出てきていました。

屋根は母屋を出さず、垂木を跳ね出しにすることで、すっきりさせています。

跳ね出し垂木は大工さんも大変なのですが、頑張っていただいたおかげで

このお住まいに合った屋根のデザインになったと思っています。

 

お庭も見せていただいたのですが、建主さまご自身でいろいろ楽しまれていて、

何よりもあえて土留めを設けなかった駐車場とお庭との大きな高低差は、

自然石を敷いて処理されているのがとてもかっこよかったです。

写真がうまく撮れていなくて本当に残念・・・

これからグランドカバーを植えることも検討されているという建主さま。

この自然石にグランドカバーが侵食し、石と石との間からちょこっと花が咲いていたり、

あるところには苔が生えたり・・・そういう場面を思わず想像して、

これは良いお庭になること間違いない!と思わずにはいられませんでした。

 

アプローチ沿いのちょっとした植栽スペースにも、自然石と下草を植えられていて、

その自然な感じが建物にすごくよく似合っていました。

こちらの植栽も白い花が咲いていて綺麗ですよね。

 

これから定期点検でお伺いするのがとても楽しみです!

 

WEB見学会開催中

新潟の木の家
お問い合わせ・資料請求

 

★モデルハウス公開中です!お問い合わせはこちらまで↓

ノモトホームズ

所在地:〒950-0862 新潟県新潟市東区竹尾2丁目263−4

電話:025-270-4400

営業・設計
竹村 泰彦 YASUHIKO TAKEMURA
ノモトホームズ公式
LINE@

ノモトホームズLINE公式アカウントでは、家づくりに役立つ情報や、住まいのメンテナンス情報、完成見学会やワークショップなどのイベント情報をお届けします。
ぜひ「友だち」登録してお役立てください!

QRコード
友だち追加

モデルハウス見学

暮らしやすいオープンな間取り、天井の高低差と吹き抜けを生かした断面的な空間設計、外部とつながる大開口サッシを取り入れ意匠と居心地を最大化しながら、耐震性能と断熱性能をしっかり確保しています。
これまでのノモトホームズのコンセプトを踏襲しながら、これからの時代の住まいのあり方を考えたモデルハウスです。

資料請求

資料請求いただいた方全員に、
・これまでの施工事例をまとめた「住まいの作品集」
・省エネ住宅のこだわりがわかる「性能ガイドブック」
無料でお届けします。

資料請求

家づくりに関するお問い合わせ、設計や資金計画についてのご相談は、
何でもお気軽にお寄せください。
お電話やメールでのお問い合わせも承っております。