以前にお引渡しをしましたお宅の広間です。
右手に小上がりになっているのが和室です。
こちらは広間の床から30cm高くなっています。
多くの場合、広間と和室を隣り合わせにします。
すると間の戸を開けて、平時は一室として使うことができますよね。
広く使えて良い反面、それぞれの部屋の大きさや形によっては
どこか窮屈で、互いに落ち着かないような関係になってしまうこともあります。
そういう時に、このように和室側の床を高くすると微妙な距離感が生まれて
「窮屈さ」のようなものが解消されます。
平面的には何も変わらないのに、ちょこっと高さを変えるだけで…
なんということでしょう!
「平面的な大きさ」というのは建物の大切な価値ですが
それはあくまでも一つの視点によるものだと思い切って言ってみます。
視点を変えて、大きさや量ではないものに因る価値を探して積み重ねていくことは
「作る」という行為の中でとても重要なことではないかと感じます。
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「こうして床をちょっと上げるだけで…」と、口では簡単に言えますが
現場の職人さんからしたらそれこそが手間のかかる仕事なんだよなぁ…
ありがとうございますです。
と、また違う視点で思ってみます。