こんにちは。営業設計の竹村です。
前回のブログ、「パッシブデザイン研修に参加してきました!」の続きです。
見学させていただいたモデルハウスの設計は、建築家の伊礼智さん。
建物のファサード(正面)には、木製ガラリと戸袋が施されています。
壁面にサッシを取り付けるだけでなく、ガラリと戸袋で建物の表情を作っています。
例えば出窓であったり、サッシの上に霧除けを設けるだけでも良いかもしれません。
建物の「顔」の印象が大きく変わります。
木製ガラリは、室内側からはこのような見え方をしています。
方位によっては日差しを遮る効果もあります。
こちらは、伊礼さんといえばの「永田格子」。(写真が悪くてすみません・・・)
伊礼さんの先輩の建築家、故 永田昌民さんにちなんで名づけられたそう。
外部からの目隠しも兼ねています。
建物の設計には、パッシブデザインが取り入れられています。
南面する吹き抜けには2階部分にも大きく開口を設け、
冬場の日射取得を最大限確保します(新潟とは違い、冬は天気が良い!)。
伊礼さん的には、室内が明るくなりすぎるため避けたかったとのことでしたが、
パッシブデザイン的にはこの大きさの開口部が必要だったとのこと。
ちなみにパッシブデザインのセオリーの一つに、
南面は大きく開口をとって、北東西面は開口を小さく、というものがあります。
開口が少なければ少ないほど、小さければ小さいほど、
建物全体の断熱性能(外皮性能)は上がります。
光熱費を取るか、空間の美しさやそこから見える風景を取るか・・・
私の建築中の自宅は、南側に隣家があり、日照が期待できませんでしたが、
北東に視線が抜ける部分があり、そこに大きな開口を設けました。
パッシブデザイン的にはナンセンスかもしれません。
伊礼さんは後のセミナーで、「年間数千円、数万円の光熱費より、私は100万ドルの景色」
と仰っていたのが印象的でした。
リビングの障子に、庭に植えた樹木のシルエットが映っています。
写真ではなかなか伝わりづらいのですが、ため息がでるほどの美しさです。
ペンダントライトも、灯具の高さが低い位置に!
天井高さ、明かりの重心を抑えた、落ち着きのあるリビングでした。
リビングのソファーに腰を下ろすと、ダイニングを挟んで奥にキッチンが見えます。
ダイニングはリビングと対照的に、上部に明るい吹き抜けを持った開放的な空間です。
リビングとダイニングの開口部は、外部とダイレクトにつながります。
木製サッシはメーカーのもので、ヘーベーシーベと呼ばれる特殊な金具で
重たいサッシでもスムーズに開閉することが可能で、気密も確保できます。
メーカーがつくる木製サッシはとても良いものですが、問題は金額です・・・
暖房は1階の床下エアコン1台のみが稼働している状況。
どこの部屋に行ってもだいたい同じ室温が実現されていました。
冷房は2階の小屋裏にエアコンが1台、吹き抜けを介して1階に冷気を届ける計画です。
その他、念のためリビングに補助用のエアコンが1台ありました。
なるほどな~と思ったのが、第一種換気のリモコン位置。
ダイニングにある収納棚の、カウンターの隅っこにちょこっと取り付けています。
高さも腰高より低いくらいで、目立たないように配慮されていました。
レンジフードも幕板を造作でつくり、まるで家具の一部のように、
違和感なくデザインされています。
壁にはお玉掛けもあり、レンジフード下の照明器具も美しく、すごく良い雰囲気でした。
造作のソファーも、空間の質を高めています。
伊礼さんが使用するブラケットライトは、モーガルソケットに裸電球という
本当にシンプルなもので、削ぎ落された美しさがあります。
換気扇も徹底して隠されていました。
今回の研修は、本当に学びの多い機会となりました。
これまで伊礼さんの書籍を読んで勉強していましたが、実作を拝見したのは初めて。
設計が上手くなるには、建築をたくさん見ないとダメだなぁと再確認しました。
とても勉強になった研修でした!
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