こんにちは。営業設計の竹村です。
先日、弊社設計顧問で建築家の泉幸甫先生が設計された、
「Apartment 鶉」を見学してきました。
単身者、メゾネット、SOHO、戸建てタイプと、
多様な入居者を受け入れられる集合住宅です。
多様な人が住んでこそ面白い、という泉先生。
退去者が出てもすぐ入居希望者がいるという、すごい賃貸住宅です。
自然素材で作っているため、年月を追うごとに味わいが生まれ、
家賃は下がるどころか、上がっているとのこと。
道路からセットバック(後退)し、植栽を植えた外観。
道行く人にも圧迫感を与えない、景観に配慮された佇まいです。
中庭にはビオトープもあり、ここではかつてホタルが生息していたそうです。
4~5年は生態系が維持されていたそうですが、
ビオトープ脇の樹木に防虫剤が撒かれ、残念ながら死滅してしまったとの事。
東京の一等地で、ここまで敷地にゆとりをもたせ、
外構を豊かにすることができるのには、本当に驚きました。
私も東京時代、大型マンションを担当しておりましたが、
建ぺい率、容積率のコンマ数パーセントぎりぎりまで、
敷地いっぱい建物を建てるのが、利益優先を考えた都心の集合住宅計画の一般解でした。
ビオトープにつながる水路。
よく見ると、小さなメダカが泳いでいました。
小さな子どもにとっては、きっとこういう発見が楽しいのだと思います。
小道を挟んで反対側には、一般の方でも気軽に立ち寄れるギャラリーも併設されています。
たまに個展やミニコンサートが開催され、集合住宅ではありますが、
地域に開かれた場にもなっています。
ギャラリーの外壁は左官仕上げ。
このパターンを生み出すのに、試作品を何度も作り、試行錯誤されたとのこと。
敷地内には、このような小道がたくさんあります。
泉先生は著書の中で、ご自身がコンセプトに考える集合住宅を
「村の様な集合住宅」と表現されておりますが、
まさに「Apartment 鶉」も、まるで一つの集落に来たような印象を持ちました。
この写真だけ見ると、イタリアにでも来たかのよう。
なんとも美しい集合住宅です。
よく見ると、奥の方で伊藤さんも写真を撮られておりました。
塀に設けられた小さな扉。
何かと思えば古材を利用したもの。
当時使われていた釘もそのまま残しています。
あとで泉先生にお伺いしたところ、この敷地には昔、
大きなお屋敷が建っていたとのことでした。
きっとそのお屋敷の痕跡を、デザインとして残したものと思われます。
泉先生は、この「Apartment 鶉」で
日本建築学会作品選奨を受賞されております。
ゆっくりと時間の流れる素敵な集合住宅でした。
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ノモトホ-ムズ
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