こんにちは。営業設計の竹村です。
今年は新年早々に京都と滋賀へ建築を見に行ってきました。昨年月イチで泉先生の住宅設計の講座に通っていた関係で、そのメンバーによる修学旅行といった感じです。
たくさん見てきましたので、駆け足でご紹介させていただきます!
まずは白沙村荘へ。日本画家、橋本関雪のアトリエです。10,000平方メートルもの広大な敷地でした。
こちらの写真はアトリエ内部の様子。ハイサイドライトが非常に美しく、また室内から外を眺めると土庇の軒裏が被さって見えるのが、本当に良かったです。
ちなみに私たちも土庇を設計する際は、これくらいの低さを目指しています。
続いて、哲学の道を歩いて法然寺へ。
アプローチの石畳が良かったです。こういう古建築にも住宅設計の引き出しになるような要素がたくさんあるように思いますね。
苔むした茅葺き屋根の山門には、侘び寂びを感じることができます。しかし冬の京都、本当に寒かったです…
その後、平安神宮までバスで移動し参拝。続いて近くの京都市京セラ美術館を見学。
2020年にリニューアルされたもので、リニューアル設計は青木淳さん。新潟ではビュー福島潟も設計されています。
この美術館、リニューアルの設計意図がとてもコンセプチュアルで、とても面白いんです。滞在時間が短かったのと、もっと予習してから訪問したかった…という感想を抱きながら、1日目はこれにて終了。夜は懇親会へ。
2日目。朝から滋賀県にある石山寺へ。大河ドラマ「光る君へ」の舞台になったそう。本堂は国宝になっていて、本当に素晴らしかったです。
本堂は写真撮影禁止なので残念ですが、本堂の迫力、山への眺望など、国宝たる所以を感じることができました。絶対に見ていただきたいお寺です。
こちらの写真の左手に写っているのが泉先生。日本建築の空間構成について、実物をもとにレクチャーしていただきました。大変勉強になりました!
その後、徒歩と電車で大津市にある三井寺へ移動し、これまた国宝の光浄院客殿へ。光浄院は、日本の住宅建築の源泉となったと言われる桃山時代の建物です。
こちらも内部は写真撮影NGなのでこのブログではお伝えできないのですが、光浄院客殿、これまで見た古建築の中で一番でした。。。感動しました。。。
(国宝って重要文化財と比べると全然違いますね!驚くほど実感できます)
光浄院、特に付書院から見る広縁と日本庭園には、ため息しか出ませんでした。。。
とにかく玄関から広縁まで続く場面の展開(シークエンス)は見事でした。当時、図面という概念も無かったと思いますが、どうやってこんな建築空間が出来たのかが本当に不思議です。
絶対に見ていただきたい建物です。
最後に泉先生より閉会のご挨拶をいただきました。なかなかこの様な機会でないと一度に建築を見て回るという事が無いので、とても良い機会でした。
電車の時間もあったので、急いで三井寺を後にし、ようやく帰路(一旦和歌山の実家へ)につきました。
特急に乗って4時間半…途中、線路上に鹿が現れ特急がストップというアクシデントもありましたが、無事に帰ってこれました。
余談ですが、こちらは電車が止まった我が故郷の駅で、数年前に建て替えられたものです。
アメリカ・ロサンゼルスの缶詰め工場をイメージした設計との事ですが(昔、アメリカへの移民が多かったため)、京都で本物を見た後にこの偽物を見ると、いつにも増して幻滅し、笑ってしまいました。建設費4.5億との事。
本物を作っていきたい、そう思った年始でした。