こんにちは。営業設計の竹村です。
最近、某有名建築家K氏が設計した美術館の垂木が雨で腐って、交換のために大規模な改修が必要で、その資金をふるさと納税で集める、というニュースが方々で話題になっています。
ニュース記事の写真を見ると、普通は屋根が乗るはずの垂木がそのまま現しになっていて、雨が降ると垂木が濡れるため、長年雨ざらしになっていることで腐って今にも折れそうです。
100歩譲って「美術館」としてのキャラクターを考えて、建物自体が美術作品となりえるよう、アート性を持たせたり意匠性やコンセプトだけを尖らせたかったからなのかは分かりませんが、普段住宅を作っている私たちからするとあり得ない話です。
ましてや、ふるさと納税で改修資金を集めるというのもちょっと違うような・・・
木造建築は、木の温かみや、自然素材ならではの心地よさが感じられ、多くの人々に愛されています。
今回のニュースで、木材の使用に対しての課題が浮き彫りになったように感じていますし、木材利用に対してネガティブなイメージが大きくならないか心配な部分もあります。
日本の木造建築は、長い年月を経て進化してきました。そのほとんどは、雨との戦いだったと思います。
いかにして木材を濡らさないか、濡らしても水切れが良く、早く乾くような工夫をしたり、万が一腐ってもすぐに(簡単に、低コストで)取り替えられたりできるようにしておく事が重要です。
私たちが日々手掛けている木造住宅でも、雨への対策は欠かせません。
日本の気候は湿気が多く、特に新潟県のように雪や雨が頻繁に降る地域では、木材が湿気を吸収しやすく、劣化のリスクが高まります。
そのため、屋根や外壁の設計には十分な配慮が必要です。
防水シートの適切な設置や、雨が木材に直接触れないようにする軒の深さ、水に強い樹種の選定、木材保護塗料の塗布、雨樋の設置など、木材の保護策を講じることが長持ちする家づくりのポイントです。
木材を使った建築物において、耐久性を保つために適切な施工や保護がどれほど大切かを再認識させられました。
新潟県の林業を応援し、地産地消の家づくりを長年取り組んできた私たちは、これからの家づくりにおいても木を積極的に多用していきます。
ですから、木造住宅の設計において、最新の防水技術や湿気対策を取り入れ、長く安心して暮らせる家を提供していきたいと考えています。
地域の気候に適した木造住宅をつくり、持続可能な社会を目指すことが、私たちのこれからの使命です。