こんにちは。営業設計の竹村です。
先日の休みに、県立図書館で建築本を読んでいました。
建築科・竹原義二さんによる『竹原義二の視点 日本建築に学ぶ設計手法』という本です。
竹原さんは関西を代表する住宅建築家の一人で、個人的には木組みの力強さと陰影を感じさせる作風が好きな建築家です。
数々の古建築の実測調査を通して得られる知見を今の住宅設計に活かせないか、という内容で、私の少ないボキャブラリーで表現すると「温故知新による設計手法を紹介する本」でした。
なぜその本を手に取ったかというと、その設計手法に共感する部分がとても多かったからです。
以下、出版社である学芸出版社による書籍紹介です。
<以下、転載>
古建築の実測を通じて、建築の感性を磨く
住まいの原点を見つめ直すとき、日本の伝統的な建築が多くのヒントを与えてくれる。実測することで、本質を見極める眼、感性を磨くことができる。吉村家住宅、吉島家住宅、掬月亭、流店、聴秋閣などの優れた日本建築を、建築家・竹原義二の視点から読み解く。また、自身の設計に活かされている手法を、近年の実作から紐解く。
<転載終わり>
私たちの様なテイストの意匠設計もまさにそうで、やはり根幹にあるお手本は古建築にある日本建築の要素だと思っています。
例えば格子戸や障子の骨組みも、古建築にある意匠を引っ張ってきても良いと思いますし、和室の作り方も古建築にある要素を取り入れても面白いです。
例えば本で紹介されている岐阜県高山市にある吉島家住宅の千本格子は、私にとっては新しいデザインでした。
これは前述したように、障子のデザインにも取り入れられそうです。
それから伊藤さんの好きな聴秋閣も紹介されていましたが、読み進めるうちに伊藤さんがなぜ聴秋閣が好きなのか、だんだん分かってきました。
聴秋閣床の間の写真を見ていると、村上の家の和室を思い出しました。
聴秋閣は近々見に行きたいですね。
木組みの見せ方も、例えば母屋の柱は角柱ですが土庇の柱は丸柱にするというのも、古建築にある要素で、それを今の住宅設計に取り入れても良いと思います。
今なおその魅力について語られている古建築をお手本に考えるのは、古建築には普遍的な魅力があるからです。
性能はきちんと確保した上で、普遍的なデザインを追及する。
これからの住まいのあり方だと思います。