こんにちは。営業設計の竹村です。
SNSはいろいろ使ってみる方ですが、Twitter(現X)だけはなぜだかあまり気が乗らず、たまに見るくらいしか使っていなかったのですが、先日サービスが開始されたThreadsはTwitterの様ですがなかなか面白くて、最近ではInstagramよりも頻繁に投稿してるくらいです。
内容はInstagramとは毛色を変えて、オフの内容のみにしようと思い(Instagramでは家づくりについて発信していますので、ぜひノモトホームズのインスタアカウントのフィード投稿から覗いてみてください!)、趣味で週に2〜3本観ている映画の紹介を一言感想とともに載せています。映画好きの方がいらっしゃいましたら、おすすめの映画を教えてください!ちなみに私はサスペンス・スリラーが好きです!
さて、今日は「居場所とパーソナルスペース」について書いてみたいと思います。
住まいを考えるときに「居場所」をどうつくるか、ということを大事にしたいと思います。
居場所とは、独りでも落ち着けるところ、安心できるところです。いくら家族とはいえ、それは個の集合体なわけですから、独りになりたい時もありますよね。私はどちらかというと家でも仕事やら読書やらあれこれやりたいタイプなので、今更ながらですが書斎の様な独りになれるスペースが欲しかったと思っています。もう無理ですが。。。
居場所を設計することは個人と建築(住まい)の関係を考えることになりますが、そもそも個人同士の距離である「パーソナルスペース」という概念を知っておくことも必要です。
パーソナルスペースは世界的にも研究されてきた概念で、建築計画の世界では環境デザイン(人と環境・人と建築の関係)を研究する分野になりますが(私が学生時代に所属していた研究室もこの分野でした)、日本の建築学者で、故・西出和彦先生の定義では排他域(50cm以下)、会話域(50cm〜1.5m以下)、近接域(1.5〜3m以下)、相互認識域(3〜20m)というものがあります。もちろん、個人の感覚や相手との関係性にもよるとは思います。
上記の中でも「近接域」と「相互認識域」が居場所に関わりの深い部分だと思っています。会話域以下の距離感だと、どうしても家族の存在を気にしてしまう距離です。私の感覚的には最低でも近接域である一間半(2.7m)の距離を取っていると、お互い気にせず読書をしたり仕事をしたりできるのではないかと考えます。ちなみにダイニングテーブルに集まって座った時の距離感は会話域。これだとなかなか集中できないですよね。
大きな家(広い家)であれば個室を設けることで独りになれる場所がつくれますが、広くない小さな家でもパーソナルスペースの会話域と近接域を考えることで、居場所を作ることができるようになります。私は妻がソファーに座っていると、無意識に一間半くらい離れたダイニングに座ります(笑)。
例えばリビングに吹抜がある住まいであれば、吹抜に面する2階の共有ホールに椅子とカウンターを設置して、家族の気配を感じつつも、独りになれる場所を作ることができます。これもリビングに座る家族との距離感としては、3~4m程の近接・相互認識域になるでしょう。
他にもキッチンとリビングの関係。食器棚の一部を奥様のワークスペースにします。そうすることで、リビングとは程よい距離が保てて、独りの時間を楽しめる場所にもなります。
階段は、上下階を行き来するためだけの場所でなく、居場所という意味を持たせるのも面白いです。こちらの写真の階段は、天窓から優しい光が降り注ぐ階段で、本を読んだりボケーっとしたり、腰掛けて葉を磨いたりすることもできます。
拙宅のスキップフロアには2段の段差がありますが、幅を広く取ったので腰掛けても他の人の上り下りには支障ありません。腰掛けるにはちょうど良い場所です。
居場所にはパーソナルスペースの概念以外にも、「落ち着けること」「安心できること」という2つの要素が必要です。
設計的には窓の高さや大きさを調整したり、明るすぎないような照明計画にしたり、天井高さを変えたりしながら落ち着けるような空間になるように考えていきます。
柱や梁の力強い構造を化粧材として現すことで安心感にもつながりますし、高断熱な住まいは静かで温度差も少ないので体にも優しい空間になり、そうすることで安心できる空間がつくられます。自然素材を使うことも、本物の見た目や手触りが安心できることにつながります。