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床下エアコンと壁掛けエアコン

今日は「床下エアコン」と「壁掛けエアコン」の違いについて書いてみたいと思います。

まず最初に、どちらも同じ壁掛けのルームエアコンを使うことに変わりはありません。その設置位置と、床の断熱方法に違いがある、というのが大きな違いです。床下エアコンは、壁掛けのルームエアコンを床に少し埋めて設置し、暖気を基礎断熱した床下に送り、各部屋に設けた吹き出し口(上の写真です!)から暖気を上げる方式です。一方、壁掛けエアコンは各部屋にエアコンを設置する方式で、局所空調と言われます。対して床下エアコンは全館空調になります。

床下エアコンは冷たい空気は下に、暖かい空気は上に移動するという性質を利用しています。ですから床下エアコンは基本的に暖房時にしか稼働しません。床下に暖気を送るため、床暖房までとはいきませんが、フローリングがマイルドに温められて非常に心地よく、かなり快適です。

では夏場の冷房時はというと、2階の共有部に冷房用のエアコンを設置して、2階から吹抜けを介して冷気を落とします。鳥屋野南モデルハウスでは小屋裏に壁掛けルームエアコンを設置して、各部屋や吹抜けに面する壁にファンを設け、冷気を小屋裏から吸い出し、全館空調を行っています。吹抜けを設けることで、暖気を2階まで上げて、2階の各部屋を暖めることができ、また夏場は2階から冷気を1階に落とすことで、夏冬ともに全館空調を実現することが可能です。つまり、「床下エアコン=2階に冷房用のエアコンが必要」という訳です。

建物の断熱性能を上げることで1階と2階、各部屋ごとの温度差が少なくなり、快適に過ごすことができるようになります。ちなみに鳥屋野南モデルハウスは断熱性能Ua値=0.38ですが、各部屋の温度差は概ね1℃になっています。

床の断熱方法については、床下エアコンの場合は「基礎断熱」として「床下も室内」という考えになりますが、壁掛けエアコンの場合は、床の断熱材を床合板(フローリングの下にある合板です)の真下に入れる「床断熱」になるのも大きな違いです。

壁掛けエアコンであれば、気流によって暖気を運ぶ方式のため、どうしても各部屋ごとに温度差が生じたり、建具で仕切られた空間には適しませんが、一方で床下エアコンは各部屋の温度差を少なくできるというメリットがあります。

意匠的にも、壁掛けエアコンではせっかくこだわった室内にエアコンの室内機がドーン!と設置されますが、床下エアコンの場合は隠すことができるのも良い点です。

 

壁掛けエアコンですが、床下エアコンに比べてのメリットは吹き抜けを設けなくても良い点と、エアコンが故障した時でもどこかの部屋に行けば涼しい、暖かいという点です。また、暑い寒いという感覚にはどうしても個人差があり、また年齢によっても体感温度が異なるため、自分の欲しい室温を各部屋でキープできるというメリットもあります。

床下エアコンの場合、断熱・気密性能を高レベルで確保するのはもちろん、基礎の種類や防蟻対策、第一種換気の位置や種類、吹き出し口の位置など、検討すべきことがたくさんあり、知識はもちろん施工上のノウハウも必要なため、私たちの様に床下エアコンの設計施工実績のある工務店に依頼されるのが良いと思います。

 

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