「家を建てたい!」となった段階で、土地はどうしよう、どんな家が良いかな?など、
考えることはたくさんあるのですが、まずは最初の段階として、
具体的な暮らしをイメージすることが大切です。
家は「手段」であって、目的は「幸せな暮らし」のはずです。
具体的な暮らしのイメージを持つには、ご自身の「住まいの原風景」を思い出してみるのが
結構簡単でとっつきやすく、おすすめです。
この「住まいの原風景」とは、それまで住んだことのある家のことです。
少し長くなりますが私の住まいの原風景を参考にご紹介すると、
物心ついたときは小さな借家に住んでいて、
小学生になって祖父の家の隣にハウスメーカーの家が建てられ引っ越しました。
高校を卒業し、8畳と少しの水回りのある学生アパートに引っ越し、一人暮らし。
学生時代の最後の2年間は家賃12000円、地震がきたら全壊しそうな
6畳一間のの安アパートで暮らし(もちろん風呂トイレは共同)、
その後、新社会人時代には市街地に建つRC造の6畳ほどの社宅で暮らし、
新潟に戻ってからは妻とRC造の小さなマンションで暮らし、
子どもが生まれる頃には鉄骨造の2LDKのアパートで暮らしました。
最終的に今の坂井東の家で暮らしています。
なぜ「住まいの原風景」を思い出すことが必要かと言いますと、
これから住むであろう住まいに求める、ある種の「基準」が見えてくるからです。
例えば私の場合、一番最初に住んだ小さな借家は、2LDKの平屋でした。
特筆すべきは広間と寝室兼遊び部屋が畳敷きの続き間で、
ごろごろしたり弟と走り回ったり、今思うと畳で良かったなと思います。
20坪も無い平屋だったかもしれませんが、小学校1年生の私にとってが、
広すぎず、狭すぎず、家族同士の距離も近くて、ちょうどいいくらいの広さでした。
ですから、今の坂井東の家でも、広すぎず、狭すぎないちょうど良いくらいの
リビングとダイニングが実現できている様に思います。
その後引っ越したハウスメーカーの家は、新建材でつくられた家でした。
この家が私の実家になりますが、住宅設計者になっても良いなぁ~と思うのが、
キッチンとダイニングの関係。
キッチンは対面式でなくクローズドタイプでしたが、
ダイニングテーブルとキッチンが一列に並ぶレイアウトでしたので、
ご飯を運んだりする手伝いが非常に楽だったことを思い出しますし、
料理からご飯、ご飯の片付けの時間はみんなキッチン周りを慌ただしく動き、
私もよく料理を手伝っていましたので、なんだか楽しかったように思います。
キッチンは壁付けだったので今の坂井東の家のキッチンも壁付けにしましたが、
今の時代に人気のない壁付けキッチンにはまったく抵抗はありませんでした。
(ちなみに妻の実家も壁付けキッチンです。)
一方、2階からは太平洋が一望できるのですが、いかんせんハウスメーカーの家なので、
太平洋が見える窓は2階のホールの1箇所だけで、しかも横幅が30㎝のスリット窓でした。
もっと外の景色の見える家だったらいいのになぁと、その窓を見ながら思っていました。
階段は当時よくある玄関ホールに面する間取りでしたので、
高校生の頃は家に帰るとリビングにも行かず、そのまま自分の部屋に直行することも。
親の立場になると、階段は絶対にリビングにあった方が良いと思います・・・笑
隣に立つ祖父の家は、地元の大工が地元の木でつくる自然素材の家で、
それこそ広間は畳敷き、無垢材が見え、木の匂いがする家でした。
子どもの頃は自然素材も新建材も分かりませんでしたが、
祖父の家の方が好きだったことはしっかりと覚えています。
ですから自分の子どもには、本物の木に触れられて、木の匂いを感じられる、
そんな家で暮らして欲しいなぁと思っていました。
ちょっと長くなりましたが、それまで暮らした住まいを考えてみると、
あの家はこうだったから、新しい家ではこうしたいな、とか、
高校生になるまで自分の部屋なんてなかったけれど、それはそれで楽しかったな、とか、
これからの暮らしを考える上での実体験として、自分の基準になります。
ぜひ、家づくりを考え始めた方は、「住まいの原風景」を思い返し、
ノートにまとめて整理してみると良いと思います。
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