大屋根が特徴的な外観を持つモデルハウス「素顔の家」は(現在は解体済)、2005年に竣工し、築16年を経過してもなお、普遍的な美しさ、自然素材の味わいを持った建物である。
大きな欅を中心に広がる「どんぐりの森」と、夏にはメダカやトンボが生息する小さなビオトープが来場者を出迎え、年2回の地域循環型マーケットもこの場所で開催してきた。
建物の主材である杉は新潟県産の山北杉を使い、キッチンの天板には燕産のステンレスシンクを、三条の家具職人による手づくりの家具、地場の建具屋の手による建具、阿賀町の作家によるトイレの手水鉢など、地域性に富んだコンセプトで設計された。
今でこそ当たり前になったかもしれないが、竣工当時は無垢材と自然素材でつくられたモデルハウスは少なく、地産地消の家づくりはここからスタートした。
「和」ではあるが、そこに感じるのは「新しい和」だ。日本建築の要素を現代的な手法でデザインに落とし込み、洗練された上品な空間となった。合板や外材は一切使用せず、県産の山北杉と自然素材を主に使用している。大屋根を架け、2階のロフトまで一体でつながる空間構成で平面的にも断面的にも広がりを持たせている。薪ストーブを囲み、四季折々の庭を眺めて過ごす豊かな時間。 無垢材と漆喰に包まれた、ノモトホームズの家づくりを体験できるモデルハウスであった。