土地のコストダウンは、エリアを変える方法と、狭小地にする方法があります。
家づくりのスタートは、ほんとんどの方は土地探しからだと思います。
いざ土地探しを始めてみると、良い土地に巡り合うまでそこそこ時間がかかります。
というのも、エリアと予算に縛られ、どちらも満たす売地はなかなか無いからです。
私は2~3年ほど探したと思います。
これは「土地探しあるある」ですが、
何年もずっと土地を探していても理想の土地は見つからないという声をよく聞きます。
そんな壁にぶち当たると、これはもうエリアを変えるか、
土地の予算を上げるしか突破口はありません。
不動産屋さんに行ってもその方法を提案されると思います。
とは言え、実際にはご予算を上げるのはなかなか難しいですよね。
そこで希望エリアを変えるという考えがありますが、
地図上の距離は離れても、移動時間で考えて5分や10分しか変わらないのであれば、
問題無いのではないでしょうか。
私は最初、中央区で土地を探していましたが、予算内で購入できる土地が無いので、
西区にエリアを広げました。
結果、中央区まで車で15分程度ですが、予算の範囲内で土地を取得することができました。
それから、あえて狭小地を求めるのもコストダウンとして良いと思います。
私の自宅は、敷地面積34坪だったので土地代をかなり抑えることができました。
例え狭小地でも、住空間は設計でカバーすることが十分可能ですし、
私たち設計好きにしてみれば、狭小地は「どんな風に解決しよう!?」と燃えます笑
話は変わりまして、私たち工務店の特技と言いますか、
工務店だからこそのメリットなのですが、コスト感覚にすぐれているというのがあります。
普段、設計だけでなく見積りまで行いますので、
材料単価や職人さんの手間代まで把握しています。
ですから、建主さんとの打ち合わせで、
「ここをこうやるとどのくらい費用がかかりますか?」という問いには、
10秒程度お時間いただければ、だいたいの予算感をお伝えすることができます。
これが仕事が縦割りになっているハウスメーカーや、
設計だけを行う設計事務所になりますと、そうはいかないケースがほとんど。
ハウスメーカーの営業マンに聞いても、分からないのではないでしょうか。
ですので、ご予算に合わせた仕様のご提案や、次にご紹介するコストダウンの
引き出しを、実はいっぱい持っています。
自己実現のため、理想の暮らしを叶えるための家づくりは、ご予算あっての計画です。
予算内でおさまるだろうか・・・どのくらい予算が必要なのか・・・
そんな悩みを解決しながら、コストコントロールして家づくりの夢を
叶えるのも、私たち設計の仕事です。
建物のコストダウンの方法としては、下記のような方法があります。
①建物の坪数を減らす
②シンプルな間取りにする
③設備にはお金をかけない
④建具はなるべく減らす
①の建物の坪数を減らすことはコストダウンの方法として定番ですね。
では、4人家族の住まいでいったい何坪まで建物を小さくできるか・・・
一度設計の伊藤さんと私と田中君で、最小限の住宅を考えました。
それが以前オンラインイベントでご紹介させていただいた「24坪の家」ですが、
24坪あれば4人家族の住まいが成り立つと考えます。
建築基準法に基づく求積による坪数なので数字上は小さいですが、
建物のボリューム感としては32坪です。
とは言え、24坪では収納が少なめなので、24坪ベースで26坪~は必要になると思います。
夫婦2人であれば24坪の間取りで十分です。
②は、シンプルな間取りにすればするほどコストダウンになるという話です。
よく、豆腐みたいなキューブ型の住宅がありますが、あれが一番費用を抑えられます。
建物も下屋を作らず総二階で、軒も無し。
コストを追求すればするほど、設計はキューブ型になるのですが、
その考え方は違うな~と思いますので、ノモトホームズではキューブ型の家は造りません。
コストはかかっても下屋を作りますし、軒もしっかり出します。
③については、設備機器は安いもので十分だという考えです。
設備機器は本当にピンキリなので、高いほど高性能だったり機能が多いのですが、
設備機器の耐久年数はどんな機器でもほぼ10年で設計されています。
要は、将来的に交換が必要になるということです。
ですので、特に欲しい機能が無い限りは安いものを選択しておけば十分です。
④については住まい方にも影響しますが、
例えば今年完成見学会を開催させていただいた「山二ツの家」を例に上げますと、
屋内の間仕切り建具は厳選して、3本で納まりました。
脱衣室、トイレ、子ども室の建具です。
建具が無いというのはとっても良くて、
空間の連続性は出ますし、家全体の一体感みたいなものを感じました。
きっと、ここでの暮らしは大らかなんだろうな~と思えました。
建具って、本当は少なくて良いのかもしれません。
私の自宅を考えると、脱衣室に建具がありますが、
今思うと無くても良かったと思っています。
引戸にしているのでずっと開けっ放しですし、
開けっ放しの状態でも脱衣場の奥まで見えません。
「山二ツの家」を体感し、こういう暮らし方っていいな~とすごく勉強になりました。